深呼吸の目的は、「酸素をたくさん取り入れる」ではない・・・?!(その3)
ここから更に深く、呼吸について考えてみたいと思います。
深く考えるきっかけになったのは、
「過呼吸」(血中に酸素を送り込みすぎること)はカラダを強くしない」、
ということをアメリカのスポーツ研究者・科学トレーナーが
最新の研究として書いているのを目にしたことです。
「呼吸して、酸素をたくさん取り入れることが効いている」、
と、それまで素朴に考えていた自分にとっては、
これは虚を突かれた感がありました。
今日のスポーツ科学では、
現代のアスリートは呼吸し過ぎでカラダを弱めている、
マラソンランナーであっても、鼻呼吸によって呼吸量を押さえるべきだ、
そのことが、カラダに耐性を作り、結果(タイム)にも繋がる、
という、「科学的データに裏付けられた主張」もあるようです。
どうも、単純に「呼吸量」が多いほど良い、たくさん呼吸すればよい、
というものでもないようです。
それで、「深呼吸歩きについて書いていこう」、
と思っていた自分としては、「ここはしっかり考えとかなきゃいかん」、
と思ったのがきっかけです。
* * *
自分は、「ただ歩く」だけでなく、意識的に「深呼吸しながら歩く」、
ということを、とても大事にしています。
それをするとカラダがとても元気になり、
すんごいリフレッシュ効果があるからです。
なんでそんなにリフレッシュ効果があるのか?
これは自分にとっては、何よりもまず理屈以前の経験則です。
「ただ歩くだけ」では取れない疲れが、「深呼吸歩き」だと鮮やかに消えるし、
カラダがだるくて、歩くだけでは「歩くことの疲れ」が勝ってしまうような時でも、
深呼吸しながら歩くと、リフレッシュの方が疲れを呑み込んでいき、
疲れを押し流してくれます。
「目一杯吸って、目一杯吐く」、という呼吸を、
無理のないペースで、その時の身体の状態に合わせて、
(↑ここは大事です、自分は朝の場合、歩き始めて10~15分くらいで
息が深く吸えるようになることが多いです。
歩くうちにカラダが自然に緩んで、深い呼吸ができるようになります。)
歩きながら意識的に深く呼吸し続けると、やがて精気が蘇り、
元気と気力が回復してくれます。
なので、「呼吸」、という要素をとても大事にしているのです。
* * *
それで、まずは深呼吸について考えてみました。
考えてみれば、単に酸素をたくさん吸い込むだけなら、
早い呼吸をたくさんすればいいですよね。
でも、それでは「過呼吸」になり、活性酸素をカラダに貯めることにもなるでしょう。。。
「深呼吸歩き」に限らず、古来からヨガや瞑想などで取り入れられている
一般的な「深呼吸」、について考えてみるならば・・・。
呼吸のペースは「なるべくゆっくり」、です。
ストレッチやヨガなどのリラックス系の深いトレーニングの中では、
深呼吸のペースをどんどん遅くして、
1分で1回くらいの呼吸、にしたりすることもあります。
となると、やはりその目的は、単に血中に酸素をたくさん入れることとは違う、
と考えられます。
吸入している酸素量、と言う意味では、
ゆっくりした呼吸にすれば、量は減っていくでしょうから・・・。
———だとすると、深呼吸とは、なぜカラダにいいのでしょうか?
というわけで、呼吸というものについて、
根本的なところから考え直してみることにしました。
(つづく)
●「深呼吸歩き」のやり方はこちら↓